堺屋太一 『満足化社会の方程式』

本は不況になったら、やはりそれを打開するための理論、方策、そして市民の心構えといったものに関して、鼓舞するものではなくては意味がないですね。

故.堺屋太一の本はいつも楽観主義に溢れていて心が鼓舞されます。

根拠なき楽観主義ではなく、これまでの人類が重ねてきた叡智を集結してそれを論じているからこそ、鼓舞されるのです。

いつどんな時も、このようなスタンスで私はいたいと思います。

この本は日本経済のバブルが弾けてから3年くらいたってからの94年2月に出された本ですが、そのときの閉塞感を破るような行きを感じます。

無限の成長などはありえないとしているのです堺屋氏は。

もうこれは当然の真理ですね。


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    堺屋太一


その成長を止めてしまう理由の第一は技術の停滞であり、第二のそれは土地と資源の限界にあるということです。

相変わらず、歴史の造詣の深い堺屋氏の論法よろしく、これまでの人類の歴史をマクロで俯瞰して導き出しているし、その内容にも瞠目すべきものを感じます。

それは単に、今に通じる理論を導き出したというにとどまらず、自分の脳内で分析して、これまでの一般で流布された理論ではなく、独自ではあるけれども説得力のある理論を導き出しているのです。

例えば、徳川綱吉徳川吉宗のどちらが評価が良いか、といいますと、やはり吉宗でしょう。

非常に、財政に厳しく取り締まり、いつも馬にのり武士らしい勇ましい勇姿がドラマでも印象に残っているからでしょう。

しかし実際は、綱吉の政策のほうが閉塞した経済打破にはいいとしているのです。

綱吉がした事は貨幣改禄をしたのですが、これによって経済の活気を取り戻したのですね。


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   徳川綱吉


通貨の金銀の含有量を減らし、数量を増やしたのですね。

これによって拡大投機の好機になったのですね。


しかし吉宗は、徹底した引き締めによって、経済成長の革新が失われ不安や勤労倫理の退廃をもたらしたのだといいます。


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   徳川吉宗


しかし、綱吉にしろ吉宗にしろいろんな本がたくさん出ています。

そんな膨大な史料からよくもこれほどの明快な理論を抽出できたなと感心するばかりです。

これは素晴らしいと言わざるを得ないですね。

しかも明快のみならずわかりやすいですしね。

私なら、そういった本を読んでも、理解するだけで精一杯で理論を抽出する事はできた話ではないですね…本当にすごい!

人員整理、広告削減、残業カット…こういった事は、不況時にはどの企業もしがちですし、その心理はものすごい理解できることですが、守りに徹すれば社会全体の総需要は減少し経営は悪化する、ということがわかりますね。

やはり、マクロ的に考えなくてはならないのですね。

この有名なロバート.キヨサキのお父さんは、教員から引退した時に、アイスクリームのフランチャイズに加盟してお店をしたのですが、不況期に広告を削り、誤りを店員のせいにして自分でその責任を取ろうとしなかったようです。

それゆえにそのアイスクリームのお店も潰れてしまったようです。

このようなことを見てきたのみならず経営を深く勉強してきたロバートは、「不況期こそ広告を増やさなくてはならない」ということを色んな本の中で書いているのです。

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 ロバート.キヨサキ



もちろん、閉塞感が覆っている時にそんなことをむやみにするのはおすすめできませんが…。

しかし、このような理論を提示しているということは、読み手にも当為として受けてほしい、ということの現れではないでしょうか?

やはり、不況期にこそ打破のチャンスはあるような気がするのですね、この本も、他の本も読んでみるとそんな気がしてならないのです。

日本経済は、設備投資公共事業に依存する建設投資主導型となり、慣性的な内需不足輸出超過にならざるを得ないとしているのです。

また議員立法と官僚主導を対比の構造でとらえていますがそれぞれの特長と欠点を分析して提示しています。

これらを分析して、どのように採択していくべきかを考える指標になるでしょう。

これから打ち出されるルールは、日本はそれまで年功序列終身雇用という閉鎖的雇用慣行をしてきましたし、投資先行型景気対策をしてきましたが、それを変革しそれを打ち破る契機になるとしているのです。

年功序列終身雇用、投資先行型景気対策にしろ日本経済の武器とされてきた言葉ですが、よく吟味してみると、やはり欠点はあるのが明白です。

それに興味をもった人は是非ともこの本を読んでほしいです。

いつものことながら故.堺屋太一氏の本は、感銘を受ける場面が多いので、何度も読みたくなる思いに駆られますね。

他の著者の本ではそういう事がほとんどないのにもかかわらず。

他に、いっぱい読みたい本がありますので、そんな何回も読んでいる時間がないということで…。

その魅力に触れたい人にはこの本を読んでくださいませ。

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