佐伯啓思 『さらば、資本主義』

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この本の注目点は、こんにちのアベノミクスの内奥を詳らかにした点と、これからの日本経済のいくすえを明確にした点でしょう。


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安倍首相

アベノミクスに対して、批判をすることは誰にでもできます。

欠点のない為政者や総理大臣などいませんから、気にいらない点や目新しく批判できそうなことが少しでもあれば、そこをつつくことは誰にでもできます。

その総理大臣の評価というのは、その政策がおこなわれてその後日本がどうなったか、どのように好転したかということ、あるいは他の日本の首相や他の国の首相のおこなった政策と比べておこなわれて初めて評価すべきものであって、今すぐに評価をくだせる性質のものではないのです。

首相が退陣してから5年以上たってから評価はされてしかるべきものです。


アベノミクスは、3つの柱からなっています。

1つは、超金融緩和です。

貨幣供給量を増やして2%のインフレを実現するといいます。

2つは、財政出動です。

3つは、政府が率先して成長産業生み出すことです。

3つ目の項目に際し、安倍首相「50か国歴訪」をしました。

グローバルな経済戦略のために、これを率先してしたことについて、佐伯啓思氏は、 「他の政治家にはできなかった功績」として一応の評価はしてます。

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佐伯啓思

しかし、安倍首相の政策に掲げれらている内容である、地方活性化、労働力自由化、規制緩和、TPPといった事柄については、やはりいく末に光明は誰もが見出さないでしょう。

そのことは佐伯氏も、他の経済学者でも同様ではないでしょうか?

私もそう思います。

この日本の20年間は、「構造改革に明け暮れた20年」でした。

グローバル競争力をつける実験だったのです。

しかし、その内容は、デフレの10数年、格差の拡大、停滞の20年でした。

それは、政策に起因するものであったことは間違いないでしょう。


しかし、政策に総てが帰するのではなく、やはりその国の内奥に起因するものが大きかったと思われてならないのです。

日本は人口減少や少子高齢化のおかげで総需要が低下しています。

グローバリズムと市場競争の強化でコスト競争が激化しています。

そのため、賃金が上昇せず雇用が不安定になっているのです。

このような要因があるからこそ賃金が上昇せず雇用が不安定なのであって、決して今の世代の人たちが怠惰であるとか、団塊の世代より努力が足りない、ということでは決してないのです。

アベノミクスでは、「賃金上昇や雇用増大が国内需要を喚起する」としていますが、佐伯氏は、それは甘いとしています。

人口減少かつ少子高齢化、都市地方格差の現代にあっては、それは不合理であるといいます。

また、所得格差社会にあっては、需要拡大を抑えてしまう、ということです。

経済成長率は、労働人口増加率と労働生産性上昇率で決まるのです。


人口減少社会においては労働生産性の上昇が一定ならマイナス成長なのです。

しかし、日本はマイナス成長でも生産性は増加しているのです。

暮らしは確実に良くなっているのです。

1970年の日本のGNPは70兆円で、今は510兆円であるのです。

1970年から7倍以上も豊かになっているのです。

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デフレ下では、それを実感できない人も多くはいるでしょうし、それで不満であるならば、インターネットや本、あるいは金持ちになる方法のセミナーなどは多くありますから、自分で主体的にアクセスしてそういうものに触れて、行動するべきであると思います。

現代はめまぐるしく社会の様相が変化する時代です。


いつまでも会社にしがみついて賃金上昇を期待するのは間違っていると思います。

自分はこうなりたい!そのためにどうすればいいか考え、その方法を探し、そのための行動をしていく…それで豊かになれるのでしょう。

そんな時代なのです。

労働生産性の主たるものは、技術革新や新たな産業分野の創出なのです。

新たな製品は開発され、新たな市場は創出される、そのことで古いものは壊され、捨てられ、新しいものへ置き換えられるのです。

ITやロボットなどを想起すればわかりますね。

逆に言えば、今のような日本の成熟社会においては、技術革新や新たな産業分野の創出がキーワードになるということです。

でなければ、完全に停滞してしまいますから。

であるならば、技術革新や新たな産業分野の創出に携わっている人たちに本当に感謝したい気分になります。

いろんな分野で、新製品が開発されますが、その製品を見るたびに私は、 「よくこんなすごい素晴らしい製品を創ったなあと驚嘆の思いに駆られることもしばしばです。

私にはとてもそんなことはできません(笑)

いやよしんばできるようになるためには、そういった分野の学校に行って少なくとも数年勉強してからでなくては不可能でしょう。

まあ、そういった人たちに感謝感謝です。

労働生産性というのは、GDPを労働人口で割ったものです。

そのGDPは、総生産や総需要によっても決まるのです。


ですから日本のように、末端消費財が国民のほとんどにいきわたり、国民のほとんどが欲しいものがない社会にあって、しかも人口減少や少子高齢化のさなかにあっては成長率をあげるのは不可能なのです。

普通の生活をみればわかるでしょう。

私は中学時代に音楽CDの鑑賞にハマり、高校に入ってからはアルバイトができるようになり、そのためにお金を得て、欲しいCDを山ほど買いました。

しかし、それから数年たち、CDのストックが多くなると、やはり中学高校の時のように、あれも欲しいこれも欲しいというようにはならないのです。

やはりCDを買うスピードや量は鈍化していくのです。

アジア、アフリカ、ブラジル、ロシアなどの新興諸国が急激にGDPの追い上げの中にあり日本は成長率で負けていますが、いずれその国々も、末端消費財が国民のほとんどにいきわたれば、成長率は鈍化していくのは必然です。


ですから、これは「停滞でも敗北主義でもない」佐伯氏は言いますし、私も同感です。

やってもできないことはあるし、頑張っても報われない時もあるのです。

「グローバル競争に勝たないと成長できない」というのも間違いだし、「成長しなければ幸せになれない」というのも間違いであるといっています。

これは現実主義者の言葉ですね。

このように、いずれ成熟社会になれば、成長率は鈍化する、ということで、成長率至上主義に反対していた飯田経夫氏を思い出します。

その飯田経夫氏の本も、このページで紹介したいな、と思います。

その他、佐伯氏はこの本で、福沢諭吉『文明論の概略』の今日的な意義を明示しています。

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福沢諭吉

佐伯氏に言わせると、「この本こそがこんにち読んでも実に教えられることの多い書物である」といい、「近代日本の指針を示した名著である」と言います。

福沢諭吉は韓国をはじめ、アジア諸国では、アジア諸国を蔑視した人として嫌われている、ということを聞いたことがありますが、そういった風聞に対しても一応距離を置いて、自分がまず虚心坦懐によんでから評価をくだしています。

そういった姿勢には感嘆の意を表せざるを得ません。

その類似する例として、佐伯氏はフリードリッヒハイエク『隷従への道』という書物を評価しています。

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フリードリッヒハイエク

今の世の中、ほとんどの人が気にしない本を虚心坦懐に読んで評価をくだす、こういう姿勢がまさに知識人としてあるべき姿を体現しているなと感心します。

そのハイエクの本についての佐伯氏の評論は、 『経済学41の巨人』という本に収められています。

福沢はあの本で、

「日本が鎖国を解いて文明化した国の文物がたくさん入って自分の国も文明化していると浮かれている時分ではない。」

「日本はまだ半人前国家である」


ということを書いています。

それが、まさに今の日本と類似しているということで、今の日本人が心すべきことを書いているのです。

ですから、この本は今日本人が読んでも頂門の一針になりうる、佐伯氏は言うのです。

何故、「浮かれている時ではない」のか。

何故、「日本が半人前国家」なのか。

これらの論拠は本の中に書いてあるので、その内奥をよく読んでいただければ非常に納得のいく説明がなされていると思います。

いつもながら、佐伯啓思氏の奥の深さには感嘆します。

知識人として尊敬に値します。


その奥深さにのめりたい人は、どうぞこの本を読んで体感していただきたいものです。

この本はコチラから。



さらば、資本主義 (新潮新書)

●その他おススメ図書

経済学41の巨人 -古典から現代まで

その他、佐伯啓思氏の著作について紹介したページは以下!

『反.幸福論』
http://hair-up3times.seesaa.net/article/428518819.html?1445833705

『経済学の犯罪』
http://hair-up3times.seesaa.net/article/426540927.html?1442938996

『西田幾多郎』
http://hair-up3times.seesaa.net/article/409858456.html?1442739330

『従属国家論』
http://hair-up3times.seesaa.net/article/421835004.html?1442739703

『科学技術と知の精神文化』
http://hair-up3times.seesaa.net/article/418149998.html?1442739935

『正義の偽装』
http://hair-up3times.seesaa.net/article/396634159.html?1442740341

『貨幣と欲望』
http://hair-up3times.seesaa.net/article/375345171.html?1442740615

『日本の宿命』
http://hair-up3times.seesaa.net/article/356624758.html?1442740994

『自由と民主主義をもうやめる』
http://hair-up3times.seesaa.net/article/428055433.html?1445761232












リンク http://blog.livedoor.jp/hammerdc/

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