桑原武夫 『ルソー』

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社会科学に触れた人にとっては、ルソーという思想家には思いを寄せないわけにはいかないでしょう。
ルソー
そのルソーという人の内奥についてわかりやすく理解できる良書であるし古典理解のための良書と思います。
中学や高校では、ルソーの書いた本の名やその概要しか知ることができませんが、大学に入ってからは、時間が多くありますから、その内容を本を読んで知ることができます。
非常な好奇心を持って読ませてもらいました。
学問や芸術という文明の産物は、人間の欲望や欲求が作り出したのであり、人間の本来的な自由や道徳と矛盾するとルソーはいうのです。
そういうことによって学問や芸術の発達を批判し、逆に、美徳と素朴さを賛美しているのです。
ルソーの理想は原始未開の民族であり、粗野な農民であったのです。
これらの人たちは、自己愛と憐れみという自然感情だけをもって妨げあうことなく生活する孤独人の世界に住んでいます。
これはハッと目の覚める言葉ではないでしょうか?
物事が金銭で測られる世界になってしまうと、純粋に愉しむことができなくなってしまいますね、芸術にしろ他の労働にしろ。
しかしルソーの住んだフランスにしろ、他の多くの国にしろ、一度金銭でほとんどすべてが金銭で測られる経済社会に移行してしまったら原始未開の民族や、粗野な農民に戻ることはできませんね。
しかし、芸術にしろ農業にしろ、金銭で測られる社会になってしまっても、その後に原始未開や粗野な農民時代にはない恩恵はあるはずですね。
ですから、そのことは深く考えなくてはならないようです。
「土地に囲いをして、これは俺のものだと宣言することを思いつき、それをそのまましんずるような単純な人々を見出した最初の人間が政治社会の建設者であった」と非常に目の覚める文を書いています。
そして他人のための労働が必要になると奴隷制と貧困、不幸と悪徳が発芽し始めるというのです。
これも同様ですね。
当時の社会にはない精神的に純粋な精神を持っていたころの人類社会に思いを寄せていたのですね。
それゆえに、ルソーは反専制主義であり、反絶対王政だったのです。
しかしそういうルソーは政治社会の恩恵を少なからず受けていたはずです。
しかし、人間は規範や強制がなくてはカオス状態になってしまいますから、そのことについては、国家成立の条件として「契約」を前提にしているのです。
ルソーの著である『政治経済論』において、
① 人民は一般意思に従うことの重要性を強調し(ゆえに法に従わなくてはならない)、
② 自由と強制を同時に確保することの重要性を強調しているのです。
しかし、同時に働きがいのある状態を作り出すことが望ましいのです。
政府は、共有地を設定して、その生産物で賄う方がはるかに望ましいとしているのです。
ここを読むと、ルソーは社会主義のはしりだろうか?と思われますが、そこはどうなのか研究が必要のようです。
そして、娯楽、レジャー、の厖大な対象に重税をかけるべし、ということを言ってました。
それは、富が増大するにつれ欲望や野心が刺激され、暴力と強奪、支配と反抗の繰り返しができる、としていたのです。
こう学んでくると、ルソーは人民のための社会を構築することに生きがいを見出していたことがわかりますね。
社会全体の救済と教育による個人の救済、これがルソーの思想の2大柱をなしていたのです。
ルソーに言わせれば、「人間は本来善であり、それを一時的にもせよゆがめ脱落させたのは社会である。人間の内面はたとえ如何に純粋であろうと必ず何かのいとわしい悪徳を持つ」というのです。
魂は外界の抵抗にあい、悩み、喜び、行動する。
その動きにつれて外界の展望が開ける、というのです。
ルソーの小説である『告白』は近代文学の大きな源流となっているようです。
それは意外なる発見でした。
同じくルソーの小説である『新エロイーズ』は1761年に初版が印刷され、1800年までに72版を数えたということです。
これも意外でした。
その理由は?ということを考えてみるに、ルソーは自然への回帰を望ましいこととしているのです。
ルソーの『社会契約論』こそが、彼の代表作であり、社会の望ましい状態を詳述しているものと思われているようですが、この本は変革的人為による自然への回帰を強調し
『エミール』では漸進的人為による自然の維持を望ましいものとしているのです。
そして『告白』や『新エロイーズ』も同様に自然への思いが中心になっているのですね。
『新エロイーズ』において、瞑想が何とも言えぬ大きな崇高な性格を帯びているというのです。
よみがえり、空想する彼の心の中のイメージにルソーは熱中するのです。
全社会、全世界にまで押し広げ、友愛の絆が人々を結びつけることを空想し、また主張したのです。
進歩改良の中にこそ人間の不幸の原因がある、とルソーは言うのです。
その気持ちはわかります。
旅行にいって自然あふれる場所に浸りきっていると、人工的なものが視野に入ってくると、それが非常に忌避したいもののように映ってくるのです。
しかし、そのような進歩改良を行ってきたからこそ、人間は生き残ってきたのであり、ルソーもその恩恵を受けていたからこそ、彼も人生を生き、人生を享受し、愉しめたのだといえるでしょう。
著述家として生活していたのも、人類が進歩発展をしてきたからこそできた、ということは明白でしょう。
自然への隠遁生活だけではできた話ではありません。
しかし、自然との交感、交響こそルソーの独創的な自然観であり自然描写だったのです。
そのスタンスが、ロマン派詩人、近代文学一般の大きな流れを作ったのだといいます。
これも意外でした。
ルソーというと、どうしても社会科学者として有名ですから、もっぱらその分野だけに特化した本だけを多数書いたのかと思いきやそうではなく、文学者としてのちに大きな影響を与える文学作品を書いていたとは…と驚きでした。
善性を保ちつつ美徳や感性を培うのがルソーの立場だったのに比べ、理性に基づく知識の増加と社会の改良が百科全書派だったのです。
私は、もっぱら後者のほうに傾きがちだったですが、やはりこのルソーの思想に触れると、その立場もよく理解できるし、大いに共感するに足るものでした。
そういったルソーの精神構造には賛意を表します。
確かに、現代社会の都市生活に浸かっていれば、それだけでは心が窮屈になってしまい、やはり都会から離れて自然にあふれた観光地や外国に行ってみたいという気になるのは頷けます。
この文を読んでいてそのような自然あふれる社会を描写した絵がたくさん登場してくる小学校の図工の教科書の絵を思い出し、同時に図工室の粘土のにおいまで思い出してしまいました(笑)。
都市と自然あふれる土地、私はどちらも好きで恩恵を受けています。
ですからルソーの立場には共感します。
しかし、私は人工的なものにも恩恵を受けているしルソーもその恩恵を受けていたことは間違いはないですし、どちらか片方だけで生きれたわけではないですから、片方だけで良い、ということはないはずです。
自然にあふれた世界は素晴らしいですが、それだけで生活していくことは不可能でしょう。
だからこそ人間は進歩改良していったのです。
ですから自然にあふれた世界だけでいい、ということはないと私は思います。
しかしルソーの主張していたことの内容には共感を示すものです。
人間の英知がすべていいほうへ行くわけではないですし、やはり検討をしていくべきことは多くあることは間違いはありません。
私は、進歩と発展に賛意を示すものの、全部を無批判でいることにはやぶさかではありません。
ルソーが最も憎んだものは、金と分業だったのです。
その理由はこの本に書かれていますが、やはり「なるほど!」と思わせるに充分な内容でした。
ルソーは金融の先駆的反抗者だったのです。
それは、これまでの内容を読めばわかってもらえますし、その根拠はルソーに興味わいた人にはきっと読みたくなるでしょう。
金融は、今の世界にとっては不可欠なものです。
しかし、それに対するルソーの批判の内容については、読むに値するものですし、吟味もするに値するものです。
この本を読んでまた意外だったのは、日本、イギリス、ドイツといった先進資本主義国のみならず、当時途上国だったロシアや中国にもルソーの思想の影響が大いに闊歩していた、ということを知ったことです。
それほどに影響力の大きな社会科学者であり思想家だったのか、ということを知ってやはり驚きを隠せなかったです。
その詳細についてはこの本を読むことによって、大いに知ることができるでしょう。
フランス語を勉強した人の書いた文というのは、どうしてもフランス語から醸し出される、日本語だけ勉強した人の文からは感じ取ることができない気宇があふれているのです。
非常にわかりにくいことだとは思いますが、それを体感するには、実際に読んでいただくほかありません。
他にもそういう感覚を体験したのは、水林章さんの『公衆の誕生 文学の出現』を読んでいた時ですね。
氏は、フランス語を勉強し、フランスに留学し、フランス文学を研究してきた人です。
そういう人の書いた文章から醸し出されるふくよかな気宇というのは、触れていて快楽以外何ものでもありません。
サロンでの最高のひと時をすごすことができるのです。
そういう著作物に触れるのも読書の悦びの1つでもあります。
その感覚を味わうこともできる作品として、また1思想家の偉大なる思想を学べる本として、この『ルソー』は非常におすすめです。
●この本は以下よりどうぞ!
↓
ルソー (岩波新書 青版 473)

リンク http://blog.livedoor.jp/hammerdc/
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