長谷川慶太郎、中嶋嶺雄 『中国危機と日本―香港返還後を読む』

中国の経済発展の度合いがかまびすしく、今や世界第2位の地位を得たわけですが、そうなる前に、かなり中国に関しては危険視する学者がいたのを覚えています。

しかし、その世界2位という状態になっても、問題点を指摘する学者もいたのは事実です。

それらの内容を両方吟味してみると、その内容がかなり似ているということがわかってきました。

要するに、経済大国になる前と今でも両方、問題が依然としているということですね。

この本の副題にあるように、これは香港が中国に返還される前に長谷川慶太郎中嶋嶺雄の2人によって対談がなされて、それを本になったのですが、その内容です。

香港が、中国に返還されたらどうなるか?…そんなこと一般人が質問されたら、返答に窮してしまいますが、お2人は敢然と持論や主張をくりだしているからさすがといわざるを得ないですね。

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当時から、中国は大きな経済的な発展を見せていたわけですが、その当時も政治に直截には関係のない一般人には情報を入手させていなかったようですね。

やはり経済発展ができている=民主化が出来ているというわけではないようですね。

中国本島とは違い、台湾国民党によって政治の自由も開放したから健全なる発展をしたということができたのです。

それに中国人は法を厳守するという精神的な伝統がないものですから、平気で約束をたがえるし、自分が生きていく上ではどんな悪いことをしてもいいという精神的な伝統があるために、国内秩序はめちゃくちゃなのです。

その様子は、莫朋富氏の書いた『蛇頭』を読めば明らかでしたし、他の著者が書いた中国のルポを多く読めばまた明らかです。

※参考ページ
  ↓

莫朋富『蛇頭』について書いたページ


この本で、長谷川氏が明らかにしているのは、脱税が中国の伝統とまで書いています。

それに中国には、電力が全土全体にはないようです。

それは、中国では電力会社を個人が開発しているがゆえに、それ以上の地域には発展しないのだそうです。

しかし、日本では財閥や産業界が背負うために、全国的に北海道から九州まで布置され電気が網羅されるということです。

これは、やはり人治主義の伝統が、邪魔をしているのですね。

過去に西太后が、孔子様があるから汽車、汽船はいらない」といったことで、鉄道をつぶしてしまったようです。

日本では考えれないですが、そんな、人の1声で政策が取りやめになってしまうような社会では順調かつ健全なる発展は難しいでしょうね。

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買弁資本は外国から輸入されたということです。

やはり国内の資金力、しかも国のためという使命感をもった人や企業などの力によらないことには、健全なる発展は望めないということがわかりました。

香港は、資本主義国であるイギリスに統治されてきたのですが、それゆえに自由度は高かったでしょう。

どれくらいかを測る指標はあいまいで、学者によって違ってくるでしょう。

しかし少なくとも、中国本土よりは高いことは確かでしょう。

それゆえに、香港が中国に返還されたら、その自由が香港では閉ざされてしまうのは明白でした。

今や自由度を高めることなくしては、政治はもちろん経済の面で民主主義を確立することは困難でしょう。

それは社会主義国の壮大な試みが失敗に終わった原因が、情報の閉ざしにあったことは明白です。

為政者にとって困る情報はすべて隠蔽してしまえば、為政者の思うがままになってしまう。

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しかし、いつまでも情報の隠蔽をしていけば、いつしか経済が上手くいかなくなり、社会主義国が91年以降だっと崩れていった経緯から明らかでしょう。

それに経済が上手くいくためには、どのようなモノやサービスが必要とされているかを、丹念にチェックする必要があるのは明白です。

中央が、その需要を作りだすという手法では無理なのは明らかでした。

そのような状況であるために、香港は中国本土とは違う制度で150年間来てしまったのです、あまりに違う国に様な観を呈しているのは明らかです。

それゆえに、分断国家のような感じでしょうか…。

そのまま、香港という別の国のまま存続するのが健全なのかなとも思ってしまいますが…。

この本が出されたのは、副題を見て明らかなように、返還される前(=97年)のことです。

その当時の状況も当然、ここには書かれています。

都市生活者と農村生活者の収入の差は10倍であるとか、耕作面積の砂漠化の進行度合いとか、森林縮小率の割合により保水率の低下による洪水の頻発とか、軍商複合体による武器の闇売りとか、規制によるわいろの横行であるとかいろいろな問題が旧態依然として残っているのです。

確かに問題点はどこの国にでもあるのは事実です。

しかし中国の場合は、その理由が明かであり、それ故にそのまま残存してしまっていることは明らかです。

それは前に紹介したギ.ソルマンの書いた『幻想の帝国』を読んで照らし合わせればよくわかるでしょう。

※参考ページ
  ↓

ギ.ソルマン 『幻想の帝国』について紹介した頁



そんな中国の内情とは対照的な例として、台湾の内情について紹介されています。

それは本書を読んでいただくとしましょう。

国内13億人の人口のうち2億人を潤しているだけであるとか、共産党員を潤すためにわいろが横行しているだのといった内容を吟味すれば、円借款は凍結にすべきであるといったことも視野に入れるべきでしょう、そんな不健全な発展にしか寄与できないのであれば。

世界経済のナンバーワンアメリカにしろ、双子の赤字を垂れ流している状態で、それがいっこうに改善される見込みはないですし、2位中国にしろ国内はこんな内容なのです。

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ゆえに、もっと違う指標で、経済を評価する制度を作れないものか、と思わざるを得ないのですね。

しかし脱線しますが、中嶋嶺雄氏の本を他で読んだことがあるのですが、あまりに観念的な内容で、途中で読み辞めてしまった例が多数あるのですが、それ故にこの本を読むのは辞めようかと思いましたが、前に感銘を受けたことのある長谷川慶太郎氏との対談ゆえに、読もうとして読んだら非常に具体性のある内容をお持ちであることを発見しました。

丸山真男氏は、講演の内容を本にしたものならわかりやすく、論旨も支持出来て感動して読めますが、机上で書いたものになると非常に難解で読みづらいのです。

丸山氏と同じように、講演や対談方式のであれば中嶋氏のは読んでいきたいなと思いました(笑)

本題に戻りまして、中国は確かに昨今のように発展する前より改善されている面もあることは確かです。

しかし、あまりにも多くの面で、問題点が依然としたまま残っていることも事実でしょう。

その改善のために、すべきことは何か。

やはり中国共産党の解体であるということです。

私も、これまで読んできた中国関係の本を読んできて考えた結果、そのような答えに導かざるを得ないと思います。

それは建国以来、その体勢できたゆえにかなり困難な道であることは明白でしょうし、だれかがイニシアティブをとっていかなけばならないことは明白でしょう。

そんなことを考えてしまいました。

●この本は以下よりどうぞ!
  ↓




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