岡部達味編 『グレーターチャイナの政治変容』

この本は中国が経済発展という激動の岐路に立っていた95年に書かれた本です。

いろんな著者の見解を集めて章ごとに編集した本ですね。

序章は、岡部達味氏が務めています。

この方の書いた『国際政治の分析枠組』という本がありますし、その本は90年代の半ばに書かれて以来未だに、新本で入手可能ですからかなり評判が高いまま、今もその内容の素晴らしさが口々に語られているのでしょう。

この人の分析した内容が非常に明晰ゆえに、読んだ人の心をぐっと掴んで離さないのでしょう。

私も、そういうたぐいの本は大好きです。

そういう類の本は、他の本の理解も出来やすくなりますから。

受験勉強においては、そういうたぐいの参考書はありますが、こういう学問的な本には、そういった参考書はないのですから、どれだけありがたいかわかります。

わかりやすくなるというという側面だけでなく、そのわかりやすくなったことで更にその面について興味が換気されてもっと本を読みたくなる、もっと勉強したくなるという効用もあるのですね。

社会主義は、全世界にまたぐ思想になったわけですが、その社会主義を第二次世界大戦後に採択した中国においては、やはりソ連とも違いますし、他の社会主義国とのとも違うわけです。

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やはり、その社会に移入されたと同時に、その国の人々の価値観、またはその国の文化、風土といったものがまじり、変形せざるを得なかったのですね。

やはり宗教と同じように、思想というのは、やはりそういったものによって変形するのが常であり、普遍ですからそのことを自明のものとして受け入れて、その行方を研究していかないといけないのですね。

その大きな原因を岡部氏は、人知主義の伝統、公私別の欠如の文化、お上の支配といったものというふうに分析しているのです。

そういった変数を論じ、研究の対象としていかないことには、中国は理解出来ないとしているのです。

やはりそういった変数ゆえに、社会主義がうまくいくか行かないか、普遍妥当に行くかといったことを研究していかないといけませんね。

社会主義=必ず成功する社会体制という頭でいた教授や学者が60年代70年代の日本にも多くいた事は、当時の本を多数読めばわかります。

某イギリス人の社会主義者の70年代に出された本を読んだことがありますが、その支持する論拠の内容の見事さに圧倒されてしまい、こんにちのように社会主義が虚構であったことが判明されていなかった時分であれば、私は社会主義は真なりと信じていたかもしれないですね。

その社会主義の体制による残滓が足かせとなって、未だにうまく資本主義に離陸できていない国もあるのですから、今となっては社会主義思想は非常に厄介物であったのは明らかですね。

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社会主義は虚構であった、だから資本主義に移行すればいい、というような単純な発想では割り切れないですね。

今、旧社会主義国がどのような惨状にあえいでいるかは、当然昨今のリポートを読まないことにはわからないですが、やはりひどいものです。

その内容については以下のギ.ソルマンの本を紹介したので見てほしいです。
  ↓
ギ.ソルマン 『幻想の帝国』
http://hair-up3times.seesaa.net/article/153015446.html?1610260095



そういった、社会主義の面だけでなく、文化や伝統など多面に渡る研究をしていかないことには、中国のこれからの行方を占うことは難しいでしょうね。

それを主体的に研究している岡部氏のみならず、この本を書いた幾人かの研究者、教授には敬意を払いますし、自分も見習いたいです。

この岡部氏の書く内容は非常にわかりやすくて、ついつい読み進めてしまいます。

逆に、同じ政治学の教授であっただけでなく、政治学の神様とまで祀り上げられていた丸山真男氏の文章は、非常に難解で読みづらかったです。

ゆえに、この人の本は読破した後、どんな事が書いてあったかわからなかったくらいです(笑)

そういった人を神様として崇め祀れと言われてもできたはなしではなかったですね。

神様といって崇めていた政治学の教授も私の属した大学の法学部にいましたが。

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そうではなく、きちんと誰にでもわかるような筆致で書くのが私には王道と思われてならなかったです。

そんな政治学の教授としてこの岡部氏の本を紹介したいです。

また同じく政治学の本で、明快な文章を書いていた高坂正堯氏の本も勧めたいです。

この方もかなり有名ですが、難解な文章は一切書いていなかったですね。

こういった著者たちのスタンスを見て、私はこういった人たちのスタンスを踏襲したいなと思いました。

70年代には、やたら難解な表現方法をしていた人が多くいたようですが、やはりそういった人たちの書いた本を読んでも、印象も同じく、書いてあった内容も記憶に残らないですから、読む時間がもったいないと思えてならないですね。

そういう難解な本が多くあると、自分もこのような表現方法を見習わないといけないのか、と、思えてきて危機感を感じたりしますが、岡部氏高坂氏のスタンスを見て、そうでなくていいんだ、と自分のスタンスを誇りに思えてくるのです。

今や世界2位の経済大国の地位を手に入れた中国ですが、やはり経済活動が盛んになったということで、GNPが増えたということではそうでしょう。

然し、これから先、経済活動を継続していくには、問題が山積しているということは間違いないでしょう。

それは決して中国の発展にケチをつけようということではないのです。

先に、ギ.ソルマンの本を紹介しましたが、その内容を照合していくと、やはり岡部氏の挙げた中国の文化や伝統が足かせになっているということですね。

それが健全な発展を阻止しているということですね。

この『グレーター-チャイナの政治変容』95年という昔に出された本ですが、そこに書かれている内容が、今にも通底していることを考えれば、やはり読み、そして研究するに値する事は間違いないでしょう。

昨今は、本の出版数も無数ですから、昔であればあるほど注目されるのは難しく、どんな素晴らしい本でも絶版に追い込まれてしまうのは必然です。

特に、当時の歴史や数値を挙げて論述している本であれば、そういう傾向は強いです。

然し、それでも読むに値する本として、この本を紹介したいです。

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