市井三郎 『歴史の進歩とはなにか』

歴史をどのように捉えるか?

これはアカデミックな問いであり、そんなに取り立てて問題にすべきことではないのかもしれないですね。

このような問いかけの本は知的遊戯であり、観念的な遊戯であって万人が問うべきすじのものではないのかもしれないですね。

しかし、このような本は私自身大好きですし、そのような本を知的時間でコーヒーを嗜むのは至上の時間です。

しかし、このブログで紹介してきた本の大抵は科学的な本ですし、科学は問題点を指摘して、それをいかにして良き方向へ向かわせるかを読者に問いかけ、あるいはすべきことを筆者が書いているのですから、そのための行動は必須でしょう。

この『歴史の進歩とはなにか』は紙の本では新本はないですがKindleでは入手可能ですから、かなりこれまで売れてきたのでしょう、驚きでした。

近代は、競争の原理によって成り立ち、実力主義の勝負のルールが厳然と前に出ていた時代でした。

よって進歩が必然とされていたのですね。

しかし、それが後になって懐疑に迫られていたのです。

それは近代によって生み出された科学技術によって、人類の皆殺しが行われたからでもありました。

またそれのみならず、奴隷、搾取、ジェノサイドといった残虐な行為もへんぜんと行われたこともまた懐疑に火を油を注いだのです。

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また分子の発見によって生物がどのようにでも改変できるという神への挑戦がなされ、どのような人間も作り出せるということにもなり、人間としてのあり方にも懐疑が持たれたからでした。

この歴史の進歩といった観念の発生は、プラトンによってギリシアで段階的発展という観念によって開始したのでしょうか。

そんな指摘ができますでしょうか。

中国では歴史を循環するものとしていたのは興味深いことです。

イスラエルにおいては、復帰すべき過去の黄金時代への意識が強烈でした。

逆にキリスト教では、黄金時代は未来にあるとして今はおぞましい時代として捉えているのが面白いですね。

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アウグスティヌスは神の王国をひたすら準備する終末的世界として人間を歴史の表徴として捉えていたのです。

このような事実を、この筆者が膨大な本の中から拾い上げ、そして書き、論じているのは興味深いですね。

ヨーロッパ近代以後に出現する進歩史観の側面を準備して、本格的な祖述をしたのがチュルゴとしています。

その法則が人間の知的な探求によって見いだされるのは言うまでもないですね。

優れた諸国人の才能を充分に展開させる自由人を抑圧するような社会的な諸条件が働けば当の社会は停滞してしまうのは言うまでもないです。

紀元前の数世紀の中国は世襲身分制ではなかったのに対し、17,18世紀ヨーロッパは世襲身分制で、その点からいえば中国のほうが進んでいたといえるでしょうか。

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また、残忍行為の禁止、戦争や疫病や飢饉からの科学の発達による免れ。

また、印刷術や地理上の発見によって、科学、技術、商業が大幅に広がり、そのことで現代の人たちが、より多く恩恵を受けていることは間違いないでしょう。

このような観念的な遊戯(?)をしていると、現代の日本人もいろんな意味で自由の幅が広がったなということが言えるでしょう。

身分制もないし、残虐行為や戦争からも免れ、疫病も科学の発達によってかなり低減しているのですから。

このような事を鑑みれば、今の私達は非常に恵まれているなと思わざるを得ないですね。

ゆえにそのありがたみを忘れてはいけないなという実感がしました。

このようなことを気づいたことはやはり収穫でしたね。

この本では、更に踏み込んだ知的遊戯に勤しみ、いろんな知識人の見解やそれらのまじり合わせによる議論の展開をしています。

それがまた奥深く読み込んでしまう魅力に富んでいるのは間違いないですね。

この著者の他の本も読んでみたい衝動に駆られました。


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