梅棹忠夫 『情報の文明学』

文明論というようなジャンルの本を目にすると、私はどうしてか興味がひときわ高くなって、気になってしまうのでしたし、今もそうです。

この梅棹氏の本も例外ではなかったです。

国がひとたび、工業化のみちをたどると必然的な道を歩むことになるということがこの本を読んでよくわかりました。

それが情報化の社会であるということです。

「もちろん、情報産業は工業の発達を前提として生まれてきた。

印刷術、電波技術の発展無しでは、それは原始的情報売買業以上には出なかったはずである。

人類の産業の展開史は、農業の時代、工業の時代、精神産業の時代をへてすすんだものとみる事ができる。

単なる工業化は近代化ではあっても現代化ないしは未来化ではない。

むしろ、脱工業現象こそが現代から未来の時代につながっていくのだ。

と書いてるある箇所は非常に示唆的ではないでしょうか?


pysy.jpg


しかし、それは工業化をやめてしまうということではないのです。

それについて梅棹氏は、以下のように書いています。

「物質およびエネルギー産業はますます進歩するであろう。

しかし、その発展の極限において人間の精神的な生産は初めて組織化され産業化されるのだかと考えるのである。

その兆候は、すでにいくつも現れている。

精神という言葉を、道徳とか芸術とかの価値的な意味に限らぬとすれば、例えばマス.コミュニケーションの発達が暗示するように、すでに今日ほど人間の精神的生産物が質的にも量的にも巨大なものとなった時代は人類の歴史においていまだかつてなかったのである。」


ものが一通り行き渡れば、それ以上買わせるには、更にいいもの、さらに買いたくなる付加価値をつけないと売れない。

それを感じ取って、当時の物売りの内容を、事業者なり商売人たちなりが、変化させていたのでしょう。

そんな変化をうすうすと梅棹氏は、感じていて、それを明確に分析して世の中に本として出した。

その結果、「そのとおりだ!」とうなずいて、それを称賛した人が続々と出てきたがゆえに、今もその明晰さを称えられる事になったのでしょう。

この本の中で「情報産業の着実な発達とともに虚業が実業をしだいに食い始めたのです。」と書いているようにです。

ですからこれは予言的な内容ではなく、当時の社会の変容を分析した内容というに近いでしょうし、予言めいた部分はあるものの、それは僅かなことです。

その機微の解釈は読み手によって違ってくると思いますから、それはこの本を読んでもらいいのが最上でしょう。

いかにものを作るかも重要ですが、いかにものを捌くかに重点が移っているということですね。

まず、これらからの経済を論じていくときには、このことを前提にしていかないとうまく機能しないということですね。

しかし、現代を見つめるとそれ以上に飛躍していることは確かですね。

その飛躍した内容を吟味して論じるのは私の時間と能力の範囲を超えているので、ここでやめにしますが(笑)飲食店も、やはりこれまでの店展開では疑問がつくということですね。

ある時ふと目についた本ですが『ものを売るな、経験を売れ』という題の本がありまあした。

それはいかに美味いものを作るかも大事であるが、店で売れる経験を最大限お客さんに印象残るものにしろ、という趣旨だったと思います。

tabeten.jpg


そのとおりの店作りにした結果、何倍も、それ以上の何十倍もの売上になった実際の例をいくつも紹介されていましたその本で。

単なる飲食店作りをもいいですがそれだけでは、これからはあたまうちになるということですね。

なるほどものづくりだけでなく、飲食店でもそのような流れになっているということですね。

物の品質が高いのは今では当たり前です。

その維持は必要不可欠でしょう。

しかし、同時に情報の摂取の必要性を十分に理解していないとうまく行かないし、つぶれてしまうということですね。

これは、世界中でセンセーションを受けたダニエル.ベルの『脱工業化社会の到来』やアルヴィン.トフラーの『第三の波』の内容と同じくするものであったということです。

しかし、梅棹氏のこの『情報の文明学』のほうが先に出ていたということでやはり注目せざるを得ないですね。

umehaumei.jpg
     梅棹忠夫


そんな偉大な知識人がこの日本にいたのか、ということで誇らしくなったものです。

しかし、なぜ、それらの作品のほうが有名になってしまったのか、という素朴な疑問が残りますが、それは知る由もないです。

でも、それらよりもこの作品のほうが世界的に見て有名でないからといって卑下すべきことでもないですし、それらの作品を読んで、自分がいいと思ったものを読んでいくべきであるということは間違いないですね。

私の好きなミュージシャンが、他のミュージシャンよりも有名でないからという理由で聴くのをやめるべきかというとそんなことは一切ないのと同様ですね。

ここ日本では、それらの作品よりも有名になってその名声が固まったが故なのかどうかもわかりませんが、それらはいずれも中古本でしか入手はできませんが、この本は未だ新本で入手可能です。

この『情報の文明学』を読みたい方は以下よりどうぞ!
  ↓



wvee1rZ8AvcYZ.jpg

おススメのネット本スーパー 『honto』です!

書籍や電子書籍を買うごとに、100円につき1ポイントが貯まります!

そのポイントは、また書籍や電子書籍を買うときに使えます。

更に会員になると、毎月10%あるいは20%の割引きのクーポンが送られます。

電子書籍なら30%offの場合も!

こんなサービスのいい本屋さんのサイトは知りません!
  ↓















ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント