ノーマン.M.ネイマーク 『スターリンのジェノサイド』

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第二次世界大戦時の独裁者としてヒットラーの罪については言及されることが多いです。

しかし、こと社会主義の国にいた独裁者については言及されることが少ないです。

それどころか、1945年の終戦以降においては、ここ日本においては社会主義を信奉してやまない学者も多くいたことも間違いない事実であり、国民の多くもそれを未来にかけて社会党を支持し、自民党と社会党が2大政党に近いくらいの大政党になる勢いがあった時期があったのも事実です。

しかし、社会主義国の内実は惨憺たるものであったことが、そういうことをルポや研究された文献をいくつも読むと明らかになっていくのがわかりましたし、社会主義国の長の独裁者ぶり、その独裁を発揮していくのに、数えきれないほどの死者が出ていったことが明らかになりました。

この本は、社会主義であったソ連のスターリンについてのレポートですが、その犠牲者の詳細を知ることができます。

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スターリン

地球上の国は社会主義を採択していくことによって搾取のない皆が快適な社会を創ることができるのである。

社会主義は未来に向けて地上に楽園を創っていくのであると。

その楽園ができたことによって共産主義社会というユートピアに達するんだ、という社会主義思想は幻想に過ぎなかったことがわかりました。

まず、そのことを強く認識していく必要があります。

スターリンは在政中に、ソ連の少数民族、集団、富農階級、政治反対者を逮捕、監禁、処刑に処しました。

その数1500~2000万人といいます。

たとえその場で殺されなくとも、労働収容所や強制収容所に送られ、その場所の厳しい気候と病気と飢えとさらされていたといいます。

そのうちで死んでいくものも多数あったのです。

どのような少数民族、集団、富農階級、政治反対者を逮捕、監禁、処刑に処したのかは本書を読んでいただくとしまして、なぜそういった非情なことが行われたのかは、まず社会主義という思想を作り出したマルクスのいったことに依拠して、 「まず穀物を大量につくり、それを輸出し、それで得た外貨で工業化をなすことができる」ということを無批判に信奉していたことが挙げられるでしょう。

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そのために多くの富農が追い出され殺害され、飢えで苦しんでいたソ連領内であったウクライナの人民には不作為でいて飢え死にさせられてしまいました。

また、権力の座から引き下ろされては自分の身が危うくなり殺されてしまう、という危惧からも自分の意見の反対者を粛清したのです。

これは何もソ連だけではなく、同じ社会主義を奉じていた中国の毛沢東でもことは一緒でした。

周りの人間を全員イエスマンにすることによって健全な政治ができるわけはない。

社会主義による政治体制をおくことによって賢人政治ができるわけでもない。


やはり社会主義は虚構であった、ということはソ連や中国、その他旧社会主義国の例を見ればわかると思います。

こういったスターリンのジェノサイドは1920年代後半から30年代初期において決行されたようですが、こういった事実は、当時の日本には伝わらなかったのかな?と疑問に思いました。

1950年代や60年代70年代にも日本には社会主義が真なりと信じていた左翼知識人が多くいました。

「マルクスは偉大な知識人、学者であった。だから間違ったことは一切言っていない。批判でいい。日本は資本主義から社会主義に移行すべきだ!」

こういった教条主義の学者が多くいたのです。 

こういいた社会主義信奉者が未来社や岩波書店において多く書物を書いていました。

こういった本は古本屋に売られています。

これは、何か宗教チックな感じがしますね。

教祖あるいはその宗教団体の長のいうことは間違いがない。立派な人だから無批判に私はついていく…みたいな感じです(笑)。

しかし、どんな立派な人でも完璧などということはありません。

どんな立派な感じでも間違いを犯すのです。

ですから、私はどんな大きな主教団体の長であろうと距離を置いて、本当に正しいのかどうかを観察していきたいと思っています。

これは何も、社会主義という政治経済体制の問題だけでなく、スターリン外国嫌悪症被害妄想症であったという事実もさることながら、彼がグルジアで生まれた少年時代にすごした家庭環境、その後の革命参加、地下活動と流刑の経験が折り重なってできた人格が、スターリンの精神的な病癖を作ったと、この書で暴露されていますが、それだけではないでしょう。

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もっと深く踏み込んだ研究がなされるべきでしょうし、そういった本があるならば是非とも読んでみたいと思います。

こういった政治家が今後出ないよう、研究が進められるべきであるし、私も学んでいこうと思います。

社会主義が虚構の思想であるとわかりました。

であるからといって、社会主義に対抗していた資本主義が、完璧であるというわけでないことも強調しておきたいです。

プロパガンダは行われています。失恋

政治家や官僚は演説やテレビで良いことを言っていても、実際の会議では別なことを言っていたりする。

前に言っていたことと、当選後に実際にしていることにつじつまが合っているかどうかをチェックしていくことが必要です。

それが理に適っているのかどうかもいろんな資料を調べて評価を下していかなくてはいけないと思います。

これまでの知識を動員し、また自分がこれから学んでいくことによって知的な武装をしていかなくてはいけない。

そのための大学教育であると思うが、どうしてもそうはいかないのが事実です(笑)

講義に出る人は少数派だし、年末などの定期試験が済めば学んだことは頭の中から雲散霧消してしまう。

何とも皮肉といわなくてはいけません。

全部が全部そうだとは言えませんが、大体においてそういう傾向がることは否めませんね。

この本を読みながらそんなことを考えてしまいました。

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スターリンのジェノサイド






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